定年を迎え、時間の余裕が出てきたシニア世代。せっかく時間があるのなら、新しい趣味として、釣りをはじめてみてはいかがでしょうか?
釣りといえば「朝早い」というイメージもありますが、大抵の初心者向けの魚は日中でも問題なく釣れるので、早起きが苦手な方でもはじめられますよ。
釣りの醍醐味は?どんなところが楽しい?
まずは釣りの魅力をご紹介します!なんといっても、釣りの魅力は「爽快感」です。
同じ海の同じ場所でも、時間・気温・日付・魚の気分によって釣果は大きく変わりますし、魚をおびき寄せるための餌や仕掛けの組み合わせによっても釣れる魚が大きく変化します。
これらを学び、研究して、時には自分だけの工夫を凝らした結果、目当ての魚がたくさん釣れた時の得も言われぬ爽快感。これこそが、釣りの醍醐味といえるでしょう。
また、ごくごく稀に、そこでは本来釣れないような予定外の大物が釣れることがあります。奇跡的に大物を釣り上げた時の感慨は、釣りがヤミツキになるほどと言っても過言ではありません。
さらに、魚の種類によっては釣ったあとに調理して、食べることもできます。新鮮な魚を新鮮なうちにいただけるのも、釣りの魅力の一つですよ。
定年後のシニアに釣りがおすすめの理由!
釣りはそこまでアクティブに動くわけではありませんが、釣り場までの往復などを含めると適度な運動にもなります。
また釣りをしている最中はゆっくりと精神的な癒しの時間を持つことも出来ますので、体・こころともに充実した時間を過ごすことが出来ます。
シニアの趣味の場合、あまりお金を掛けずに長い時間過ごせるものが喜ばれますが、釣りの場合はコスパの面でも向いています。
道具を始めに一式揃えてしまえば、ゴルフなどの他のスポーツほど費用は掛かりませんし、週に1,2回行ったとしても肉体的に辛いということもありませんので自分のペースでどんどん行くことが出来ます。
総務省統計局の発行している『社会生活基本調査』によると、釣りをしている人の年齢階級別平均行動日数が、男性は50代以降でどんどん多くなっており、60歳~75歳の人たちは一年に20日以上釣りをしているという結果になっています。
これだけ時間を使えるのであれば、定年後の趣味として人気な訳がわかりますね。
※平均行動日数…つりを行った人について,平均した過去1年間の行動日数
また釣りは「待ち」の要素もありますが、リールを適宜巻いて動きをつけたり、釣れない場合その原因を考察して場所を変えてみたりと、試行錯誤する楽しみもあるので、シニア世代の脳トレといった点でもおすすめです。
初心者は堤防釣り(海釣り)からはじめよう!
海や川、池、果ては用水路まで、釣り場にはいろいろな種類があります。中でもこれから釣りをはじめる初心者におすすめなのは、海に面した堤防での釣りです(海釣りとも呼びます)。
東京近郊にある身近な堤防でも、イワシ、サバ、メバル、カサゴなど様々な種類の魚が、初心者にも行いやすい簡単な釣り方でたくさん釣れるので、釣りの楽しさを覚えるのに最適です。
また、釣行の回数を重ねて釣りに少し慣れてきた時に、クロダイやカレイ、イシモチなどのより難易度の高い魚も狙えるという発展性の高さもおすすめポイントです!
釣り方によっては、ウナギやイシダイなどの意外な大物も!釣りをはじめようと思ったら、まずは堤防で海釣りに挑戦してみましょう。
初心者におすすめ!サビキ釣りとちょい投げ釣り!
初心者でも簡単にできる堤防での釣り方法として、サビキ釣りとちょい投げ釣りというものがあります。アジやキスなどの有名な魚もたくさん釣れる方法ですので、まずはこの2つの釣り方を覚えましょう!
サビキ釣り
サビキ釣りとは、サビキという針がたくさんついた仕掛けを使い、コマセカゴという道具で魚にエサをやりつつ釣り上げる方法です。
竿を動かしたり、餌を使ったり、魚の位置を確認したりと、釣りの基本的な要素を手軽に学べるので、まさに初心者におすすめの釣り方といえるでしょう。
主なターゲットはアジやイワシで、手軽に釣れてかつ美味しく食べられる魚が多いことが特徴です。お孫さんなどに新鮮な魚を食べさせてあげたい!という方にもおすすめですよ。
ちょい投げ釣り
ちょい投げ釣りとは、軽いオモリと虫エサを使用して、海底にいる魚たちを釣り上げる方法です。
主なターゲットはキスやハゼ、カサゴなどですが、それ以外にも多種多様な魚が釣れるので、いろいろな魚を釣ってみたい方におすすめです。
ちょい投げ釣りでも釣りの基本的な要素を学べるほか、準備もとても簡単なので、手軽に本格的な釣りがしたい方にもおすすめです。
釣りをはじめるのに必要な道具は?
さて、ここからは、釣りをはじめるのに必要な道具を見ていきましょう。種類は多いですが、いずれも釣具店などで、比較的安く揃えられますよ。
なお今回は、初心者向けである海釣り(堤防釣り)のサビキ釣りとちょい投げ釣りを想定して、装備や道具をご紹介しています。
川釣りや船釣りなど、それ以外の釣り方では必要な道具がまったく異なりますので注意してください。
余談ですが、一部のメーカーではタックル一式を超安価で発売しています。
このような価格が安めのセット品は、竿の感度があまり良くないために魚がかかりにくく、また1~2回使用しただけで錆びてしまい、使い物にならなくなってしまうものがほとんどです。
「安物買いの銭失い」にならないよう、こうしたセットを購入するのは避けましょう。せっかく趣味として始めるのであれば釣り道具は一つずつ、じっくりと選んで単品で購入するのがおすすめですよ。
まずは基本中の基本、ロッド(釣り竿)から。
ロッドにもアジングロッドやバスロッドなど、様々な種類がありますが、初心者が最初の一本として購入するのにおすすめなのはバスロッドです。
バスロッドは別名万能ロッドとも呼ばれ、いろいろな魚を釣る際のお供として、昔から親しまれています。
竿のグリップ部分などに「ML 2~8lb」(MLはミディアムライトと書いてある場合もあります)という表記があるものを選べばバッチリです。
また、ロッドの価格は質によってばらつきがあり、高いものだと20,000円以上するものもありますが、普通に釣りを楽しむだけなら4,000円~6,000円前後のもので十分だと思います。
高いものほど専門性が高くなるので、かえって使いにくくなってしまうこともあります。安くてしっかり手に馴染むようなロッドもありますので、そういったものを選ぶと良いでしょう。
次に、ロッドに接続して糸を巻き上げる必須アイテム、リールを用意しましょう。リールにはスピニングリールとベイトリールがありますが、基本的にはスピニングリール一択です。
実はスピニングリールの中にも種類があり、大きさによって商品規格の番号が違います。初心者向けのサビキ釣りやちょい投げ釣りの場合には、2500番台のオールマイティなリールがおすすめです。
リールも高いものから安いものまで千差万別ですが、まずは上記画像のリールのような、2,500円~3,000円前後のもので十分です。
高級品の購入は、釣りに慣れてきてより高みを目指したくなった時に検討しましょう。
竿、リールとくれば、次はやはり釣り糸です。釣り糸のことを専門用語で「ライン」といいます。
ラインは魚がかかったことを教えてくれる唯一の釣具なので、タックルの中で最も重要です。
「ライン次第で釣果が変わる」という共通認識があるほど、ラインの選択は重要視されています。
初心者の方は、ナイロン素材のもので「2号」あるいは「2.5号」という規格のものを選べば間違いがありません。
ナイロン製のラインは絡まりにくいので、バックラッシュ(ラインがリール内部で絡まって詰まってしまうこと)を起こしにくいというメリットがあります。
また、ナイロン素材はかなり劣化しやすいので、購入する際は安めのものでいい、すなわち、お財布にも優しいという利点もありますよ。
また初心者向けのサビキ釣りやちょい投げ釣りをする場合、サビキ釣り専用、あるいはちょい投げ釣り専用の仕掛けが必要です。
※「▶」ボタンをクリックすると詳しい説明が出てきます。
仕掛け-サビキ釣り用
まずはサビキ釣りの仕掛けについてです。サビキ釣り用の仕掛けとしておすすめなのが、SASAME(ササメ)が発売している「ボウズのがれ サビキ下カゴ式」です。
サビキ仕掛けの中でも、様々な大きさ・色の針がセットされているのが特徴で、下カゴ式という初心者でも扱いやすいつくりになっています。
サビキ釣りの仕掛けには、上カゴ式というものもありますが、こちらは少し扱いにくいので、初心者向けではありません。
大抵の場合、6種類の針のどれかには魚が食いつくので、商品名の通りボウズ(その日の釣りで魚が1匹も釣れないこと)にならずにすむ可能性も高まりますよ。
仕掛け-ちょい投げ釣り用
ちょい投げ釣り用の仕掛けとしておすすめの一品が、Hayabusa(ハヤブサ)の「かんたん投げ釣りセット」です。
初心者でも扱いやすいように、程よい長さになっているのが最大の特徴です。しかも仕掛けのセットは、糸を結んでエサをつけるだけでいいので、とてもお手軽です。
さらにこのセットは、天秤部分さえ残っていれば自在に改良可能という、拡張性の高さも魅力です。釣りに慣れてきて感覚が掴めてきたら、このセットを改良して、オリジナルの仕掛けを作ってみるのもいいかもしれませんね。
余談ですが、このセットに限らずちょい投げ釣り用の仕掛けは、その性質上破損しやすいので、購入する際は複数点買っておくと良いでしょう。
どんなにいい道具を揃えても、エサがなければ魚は寄ってきません。また、魚によっても好むエサが異なるので、エサ選びはかなり重要です。
昔の釣りは生きた虫などの生き餌しかありませんでしたが、最近では初心者向け・虫が苦手な方向けのエサも増えてきています。虫は見るのも嫌だ!という方でも安心です。
なお、必要となるエサの種類も、サビキ釣り用とちょい投げ釣り用で異なります。釣り方ごとのおすすめのエサを見ていきましょう。
餌 - サビキ釣り用
サビキ釣りでは、主にエサとしてアミエビを使用します。釣具店などではブロック状の冷凍アミエビも売っていますが、これから釣りをはじめる方にはマルキユーの「アミ姫」というエサがおすすめです。
冷凍アミエビは、解凍にとても時間がかかる上に、スプーンで削り取ったりなど、面倒な作業をしなければなりません。臭いもかなり独特で、手や服などについてしまうとなかなか落ちないので、初心者の方にはあまりおすすめできません。
この「アミ姫」は、常温で保存できるチューブタイプの配合エサで、コマセカゴに絞り出すだけで使用できるお手軽さが最大のウリです。
絞り出すだけなので、スプーンで削り取る作業も不要ですし、手が汚れることもほとんどありません。
また、フルーティーな香りによってアミエビ特有の臭いも消えているので、生物が発する独特の臭いが苦手な方におすすめです。
ただし、量がやや少なめである点にだけは注意が必要です。「アミ姫」は常温で1年程度の長期保存が可能なエサですので、少し多めに購入するのも良いかもしれません。
餌 - ちょい投げ釣り用
ちょい投げ釣りでは、主にエサとして生きたアオイソメを使用します。とはいっても、生きた虫を針に刺すのは少し罪悪感がありますし、うごめく虫が苦手な方も多いですよね。
また、生き餌は使用するまで鮮度を保つ工夫をしたり、使用する際に噛まれないように注意しなければならなかったりと、生きているが故の面倒な要素がとても多いです。
そこでおすすめなのが、マルキユーが発売している「パワーイソメ」です。
この「パワーイソメ」は、アオイソメを模した人工のエサで、十年以上前に発売して今なお現役で使用されている、ロングセラー商品です。
もちろん生きてはいないので、噛まれることもありませんし、パッケージから脱走することもありません。針につける際に抵抗することもありませんので、生き餌と比べてつけやすいのが良いところです。
また、アオイソメの血から出る強烈な悪臭もなく、集魚効果のある臭いもブルーベリーガムのような香りで覆い隠されているので、臭いに敏感な方には特におすすめです。
※パワーイソメは環境に優しい生分解性の素材で作られており、エサ本体や保存液も人や魚に無害な成分のみで構成されています。エサが海中で取れたり、魚が誤って飲み込んでしまっても安心です。
さらにパワーイソメは、エサ持ちがとても良いという特徴もあります。1回魚が釣れても、魚が加えているパワーイソメをそのまま再度使い回せる場合があり、非常に持続性の高いエサであるといえるでしょう。
しかも製品が元から浸かっている液につけておけば、1回の釣りで使い切れなくても、長期間の保存が可能なので、お財布にも優しいエサになっています。
その他初心者が忘れがちなアイテム3選はこちら
ラジオペンチ
ラジオペンチ(ラジペン)なんて釣りに不要なのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのラジペン、釣りには必須の超重要アイテムなんです。
ラジペンは主に、釣った魚の針を抜く際に使用します。魚が針を飲み込んでしまっている場合はもちろん、そうでない場合でも、ラジペンを使用して針を抜けば安全です。
豆知識:非常によく釣れるクサフグのように、人間の指の骨を噛み砕けるほど歯が強靭な魚も多いので、手で針を抜こうとするのは厳禁です。
1,000円から2,000円程度の釣り用のラジペンを購入しておけば、錆びて劣化してしまうことも少ないので安心ですよ。
フィッシュグリップ
ラジオペンチで魚から針を抜く際、魚を掴むために使用するのがフィッシュグリップです。
魚は人間の体温で火傷して死んでしまうので、食べる場合もリリースする場合も、基本的に素手ではなくフィッシュグリップを使うほうが好ましいです。
初心者が選ぶ場合、画像のようなフィッシュグリップとフィッシュプライヤーがセットになったものや、メジャー機能付きのフィッシュグリップを購入するのがおすすめです。
ハサミ
ハサミも釣りに必要な道具で、主に危険な魚が釣れてしまった場合に、糸や仕掛けを切るのに使用します。
一般的なハサミでも大丈夫ですが、もし新しく購入する場合は、画像のような釣り用のハサミが、錆びにくく長持ちしやすいのでおすすめです。
初心者が釣りを学ぶのにおすすめの教材は?
初心者が釣りを学ぶ場合には、書籍よりもYoutubeにアップロードされている動画がおすすめです。
動画であれば、仕掛けのセットやエサのつけ方など、わかりにくい所作をわかりやすく目で確認できますし、難しいロッドの投げ方(キャストといいます)についても、わかりやすく把握することができます。
Youtubeの動画は、全て無料で視聴することができ、難しい操作も不要です。しかも最近では、釣りを全く知らない初心者を対象にした、釣り入門の動画もあります。
中でも特に、レッドモンキーという二人組が作成している「釣り初心者講座」というシリーズものの動画。
実際の釣り方はもちろん、初心者向けの釣り道具の選び方や、「根がかり」などの釣りでよくあるトラブルへの対処法まで詳しく解説されており、おすすめです!
他にも、釣り竿メーカーであるSHIMANO(シマノ)が作成した「シマノ初心者釣り教室 ~堤防編~」という動画も、サビキ釣りやちょい投げ釣りがわかりやすく解説されているのでおすすめです。
釣りをはじめるならば、まずはこの2つの動画を見てみると良いでしょう。
初心者が釣りをするのにおすすめの場所は?
さて、ここまで初心者向けの釣りについて述べてきましたが、最後に初心者が釣りをしやすい、おすすめの場所として「釣り堀」・「釣り施設」が挙げられます。
例えば神奈川県横浜市にある「本牧海釣り施設」などがその1例です。
(出典:横浜フィッシングピアーズ)
堤防での海釣りを専門とした施設で、年間合わせておよそ40種類もの魚が確認されています。
魚の種類の多さはもちろん、落下防止の手すりなど、事故防止の安全対策がしっかり施されているのでおすすめです。
また、管理棟と呼ばれる施設では、釣具のレンタルや販売も行っています。道具を買わなくても気軽に釣りが楽しめることもおすすめポイントの一つです。
さらに、立ち食いそばのお店もあるので、お昼ごはんを忘れても大丈夫。しかも、釣り場や管理棟にはスロープが設置されており、車椅子の方でも利用可能です!
日本全国釣りに関する施設は様々ですので、お近くのスポットを探してみるのは如何でしょうか。
余談・釣りで出会える危険な魚に要注意!
堤防で釣りをしていると、時に毒針を持つような、危険な魚が釣れることがあります。また、フグのように、食べてしまうと危険な魚も数多くいます。
豆知識:危険な魚といえば船釣りをはじめとした、本格的な釣りのイメージがありますが、堤防で初心者が行うサビキ釣りやちょい投げ釣りでも、危険な魚は釣れてしまいます。
ここでは余談として、堤防で釣れてしまう危険な魚について、その特徴と対処法を写真付きでご紹介いたします!
初心者のうちに覚えておくと、「いざ」という時に冷静に対処できますよ!
ゴンズイ
主にサビキ釣りで釣れる毒魚です。背びれと胸びれに毒があるので、針を抜く際には気をつけましょう。
ゴンズイに限らず、手に負えないなと思ったら、針や仕掛けごとラインを切るのもおすすめです。
なおゴンズイは群れで行動する習性があるので、1度釣れるとその場所ではゴンズイしか釣れなくなってしまう可能性も。
ゴンズイが釣れた場合は、釣る場所を変えた方がよいでしょう。
アイゴ
こちらもサビキ釣りでよく釣れる魚です。すべてのヒレ部分に有毒のトゲがあり、刺されると激痛が走ります。
幸いにも死に至るような毒ではないので、もし刺されてしまった場合は患部を熱湯に浸けてタンパク毒を分解し、病院を受診しましょう。
クサフグ(フグ類)
高級食材として知られるフグですが、写真のようなクサフグをはじめとして、意外にもよく釣れる魚です。
内臓に毒があるので、絶対に食べないようにするのはもちろんのこと、噛まれないようにも気をつけましょう。フグの歯は強靭で、人の指の骨や釣り針までも噛み砕いてしまいます。
実際に指を噛みちぎられてしまった例もあるので、フグの扱いには細心の注意をはらいましょう。
ハオコゼ・オニダルマオコゼ
カサゴに似た魚、ハオコゼは頭部に毒のトゲがあり、刺されるとしびれを伴う激痛が襲ってきます。針を抜く際に刺されないよう要注意です。
ハオコゼ
オニダルマオコゼ
オニダルマオコゼもハオコゼの仲間で、写真のように岩に擬態しています。背びれの毒はハオコゼよりも強く、死亡事例もあります。
オニダルマオコゼの生息域は、九州・沖縄周辺、そして小笠原諸島周辺の温かい海ですが、昨今の温暖化の影響で本州の海でも確認されています。
オニダルマオコゼの場合は、岩に擬態する性質上、釣れた際だけでなく誤って踏んでしまった場合の事故もあるようです。何らかの理由で海中に足を踏み入れる際は、オニダルマオコゼに気をつけてくださいね。
ソウシハギ
黄色い身体に水色の模様がきれいなソウシハギ。実はこのソウシハギ、内臓にフグ毒の70倍もの毒をもっているので、絶対に食べてはいけません。
食用のウマヅラハギやカワハギと間違いやすく、2018年には実際にカワハギと間違われて販売されてしまった事件もありますので、誤食には十分注意してください。
キタマクラ
名前からして不吉な魚ですが、意外にも毒のトゲなどはありません。ただし、フグと同じ毒を持っているので、食べてしまった場合は一大事になってしまいます。絶対に食べないようにしましょう。
なお、カワハギとよく似ていますが、キタマクラは全体的に小さめで、お腹を膨らませて威嚇してくる習性もあるので、見分けるのは容易です。
アカエイ
実は堤防では、たまに大きなアカエイも釣れてしまいます。アカエイはしっぽに致死毒のトゲがあり、しかもそれを俊敏に振り回してくるので大変危険です。
アカエイは体格も非常に大きいので、思わぬ場所まで針が届いてしまいます。アカエイが釣れてしまった際は、常にアカエイから目を離さず、油断することのないようにしましょう。
また、竿を引く力も非常に強いので、バランスを崩してしまっての転倒事故なども想定されます。道具類は少しもったいないですが、危ないなと思ったら素早く釣り糸を切ってしまいましょう。
オニヒトデ
全身が有毒のトゲで覆われています。波打ち際に打ち上げられていることもありますが、見つけても触れないようにしましょう!
ウミケムシ
ちょい投げ釣りをしていると釣れてしまうことがあります。口元を含む体中に生えている毛は有毒で、しかも柔らかいので触れただけで毒のある毛が広範囲にまき散らされてしまいます。
釣れてしまった場合は釣り針を抜こうとせず、ウミケムシから距離のある位置で糸を切りましょう。
ガンガゼ(ウニ類)
ウニのトゲは鋭くて危険ですが、特にガンガゼは強い毒があるので要注意です。
波打ち際に打ち上げられていることも多いですが、絶対に踏まないようにしましょう。
ミノカサゴ・オニカサゴ
堤防釣りではよく釣れるカサゴたちです。
ミノカサゴ
オニカサゴ
いずれもヒレの部分に有毒のトゲがあり危険です。釣れてもむやみに触れないようにしておきましょう。
釣りは身体・こころの両面からも健康的な趣味です。
難しそうにも見えますが、やってみるとそこまで大変ではありませんので、是非この機会に始めてみては如何でしょうか!