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老後の旅行に必要なお金は?シニア世代の旅行費用と安くすませるポイント

老後にやってみたいことの1つと言えば『旅行』ですよね。国内旅行・海外旅行、クルージングや神社仏閣巡りなど旅行の楽しみ方も様々です。

当サイトが1,000人の方に実施したアンケートでも定年後・老後にやってみたいことNo.1は『旅行』でした。

→(人気記事) 高齢者におすすめの趣味ランキング!これからのシニア生活を楽しもう!

リクルートライフスタイルが発表している『じゃらん宿泊旅行調査 2019』の調査によると、国内旅行の行先は沖縄が一番人気となっています。

シニア世代に人気の国内旅行先 (テーマ・魅力別)
【2018年  テーマ別・都道府県魅力度ランキング】 1位 2位 3位
大人が楽しめるスポットや施設・体験が多かった 沖縄 千葉 奈良
地元ならではのおいしい食べ物が多かった 石川 高知 北海道
地元の人のホスピタリティを感じた 沖縄 熊本 青森

※1位から10位までしっかり見たい方は、こちらのボタンを押すと下に表示されます。

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大人が楽しめるスポットや施設・体験が多かった
1位 沖縄
2位 千葉
3位 奈良
4位 長崎
5位 京都
6位 三重
7位 和歌山
8位 大分
9位 広島
10位 石川

沖縄県が3年連続で1位。3位に入った奈良県は、神社仏閣に加えて博物館も人気です。

10位の石川県は庭園や城下町などの街巡りが人気のポイントです。

地元ならではのおいしい食べ物が多かった
1位 石川
2位 高知
3位 北海道
4位 熊本
5位 沖縄
6位 香川
7位 富山
8位 宮城
9位 長崎
10位 和歌山

こちらは石川県が2年連続で1位となっています。石川県はかに・のどぐろ・えび・ほたるいかといった海鮮が有名です。

最近人気が上がっている8位の宮城県は「牛タン(料理)」、9位の長崎県は「ちゃんぽん」などの名物料理が好評です。

地元の人のホスピタリティを感じた
1位 沖縄
2位 熊本
3位 青森
4位 鹿児島
5位 山形
6位 北海道
7位 大分
8位 香川
9位 高知
10位 佐賀

沖縄県が14年連続1位。大分県、香川県、佐賀県など西日本エリアに勢いがあります。6位の大分県は「お土産をおまけしてもらった」「観光地としてホスピタリティを感じた」との意見も。

10位の佐賀県は「唐津くんち」や「バルーンフェスタ」などお祭りやイベントに関するコメントが多いようです。

 

ちなみに海外旅行ですが、『2018年シニアライフに関する調査』(出典:大和ネクスト銀行)によると、シニアが行ってみた国のランキングではアメリカがダントツの1位となっています。

シニア世代に人気の海外旅行先
ランキング 行ってみたい国
1位 アメリカ
2位 オーストリア
3位 イタリア
4位 台湾
5位 フランス

なお世代関係なく人気の旅行先については、国土交通省が出している観光白書によると、『アメリカ・中国・韓国・台湾・タイ』の順となっており、アメリカを除くとアジア圏が人気となっています。

順位 国・地域別 日本人訪問者数(人)
1位 アメリカ 3,595,607人
2位 中国 2,680,033人
3位 韓国 2,311,447人
4位 台湾 1,898,854人
5位 タイ 1,544,442人

老後の旅行のためにはお金をいくら必要?

シニア世代が平均的に旅行にかけている費用ですが、前述のシニアライフ調査によると、2019年は旅行に費やした金額は年間19.9万円となっていました。

2018年は19.6万円でしたので、そこまで大きく変動していませんが、2018年と2017年とのデータを比較すると2018年の方が支出額が増えているので、旅行にかける費用は年々増えていると言えるでしょう。

もちろん国内旅行に複数回行くか・海外旅行に行くか、何回行くのかによって掛かる金額も変わると思いますので、国内旅行・海外旅行それぞれの平均費用について調べてみました。

1泊2日の国内旅行の平均予算:男性ー77,083円、女性-67,457円

2泊3日の海外旅行の平均予算:男性-175,252円、女性-145,066円

出典:総合旅行プラットフォーム「エアトリ」- 旅行にかけるお金に関する調査(2019年)

年間で費やす金額の平均が19.9万円なので、大体国内旅行に年2~3回、海外旅行に1回行くと平均的な旅行回数と言えると思います。

実際に65歳から80歳まで15年間、毎年1回海外旅行に行くとすると、1人当たり約300万円掛かる試算となり、国内旅行を年1回とした場合は、15年で約100万円となります。

必要金額

年1回の国内旅行:100万円(/1人)

年1回の海外旅行:300万円(/1人)

※65歳~80歳までの定年後15年間で試算

人生100年時代とも言われていますので、今までは80歳までで計算することが一般的でしたが、これからは90歳ぐらいまで元気に旅行する時代がくる可能性が高いです。

その場合は上記の金額に更に100万、200万と必要になってきます。

つまり定年後に毎年旅行に行きたいと思った場合、生活費などの貯蓄とは別に、1人辺りプラス200万~500万程度のお金が必要となるということです。

少し話は変わりますが、総務省の出している家計調査報告によると、高齢者夫婦世帯は大体1月あたり5万円程度のマイナスとなっています。

65歳から100歳まで35年生きるとすると、夫婦で1月あたりマイナス5万円×35年間として、大体2,100万円分の貯蓄を切り崩していく必要があります。

定年後に旅行を楽しむことはもちろん大事ですが、老後に備えて計画的にお金を使うようにしていく必要があると思います。

参考資料

・国土交通省観光庁「平成30年度観光の状況」及び「令和元年度観光施策」

・一般社団法人 日本旅行業協会「旅行統計 2019

・総務省統計局「平成29年 家計調査報告

シニア向けー旅行をお得にする方法

旅行を安くすませるポイントは数多くありますが、その中でもシニアならではの割引をしっかり使うようにしましょう。

注意点としては年齢確認が必要となりますので、旅行者全員分の身分証明書(健康保険証・免許証・後期高齢者保険証など)を忘れない様にて下さいね!

交通機関の割引はもちろん、旅行先での美術館や各種施設の入場料、レストラン・アミューズメントパークなど使える場所は様々です。

それぞれの割引について個別に解説していきたいと思います。

交通機関(新幹線・鉄道・飛行機・バス等)のシニア割引

交通機関の割引で一番のおすすめはJRが発行する新幹線・鉄道のシニア割引です。

JR各社それぞれが色んなプランを出していますが、すべてに共通して2つの年齢層への割引があります。

・大人の休日クラブミドル

「男性:50歳から64歳、女性:50歳から59歳」

・大人の休日クラブジパング

「男性:65歳以上、女性60歳以上」

ミドルエイジプランは入会金や年会費が安かったり無料なものが多く、各社ごとに入りやすい軽いものが多め。

対して高齢層向けのプランは「ジパング俱楽部」という名前が共通で付いており、年会費などがしっかり掛かる反面、割引額も大きく・サービスも充実しています。

JRジパング俱楽部の各種割引サービス

ジパング俱楽部の年会費はひとり3,840円(税込)となっており、少々お高く見えますがJRの切符が30%オフとかなりの割引率になっています。

例えば東京→仙台の新幹線料金の場合、通常22,400円→割引後15,660円と片道6,740円もお得に。往復で考えると13,480円も交通費を浮かすことが出来ます。

年に1回は国内に鉄道を使った旅行をするのであれば十分に元が取れる金額になっているのが素晴らしいですね。

それ以外にもJRホテルグループで宿泊する際の料金も割引出来ますので、国内旅行をする際には入っておいて損はないと思います。

次に飛行機ですが、鉄道のシニア割引に比べて飛行機のシニア割引は少し使い勝手が難しいです。

JAL、ANA、スカイマーク、エアドゥ、ソラシドエア、スターフライヤーなど各社割引サービスを行っています。

なぜ使い勝手が悪いかというと、まずJALとANAのシニア割は事前の予約が出来ません。

JALとANAを例に説明すると、JALのシルバー割引は予約が一切出来ず、当日受付に行った際に空席があれば割引が利用できると言った形式に、ANAのスマートシニア空割は当日に空きがあれば当日券を予約・購入できる形式になっています。

これらのシニア割を活用しようとすると、事前に飛行機を予約することが出来ないので、よほど旅慣れた人以外利用することが難しいです。

飛行機のシニア割は通常料金よりも大体50~60%の割引になるので、価格面としては非常に魅力的ですが、ふらっと旅行に行きたくなった場合や、当日思い立って旅行に行く際の一つのプランとして覚えておく程度でいいと思います。

※なおJALの当日シニア割引は予約が出来ない都合上、通常の航空券予約ページには表示されない点にも注意が必要です。

観光名所・観光スポットのシニア割引

交通機関だけでなく、旅行で訪れる場所の入園料・入館料などもシニア割引が使える場所が多いので、忘れない様にしておきましょう。

参考までに各名所・観光スポットのシニア割情報を記載します。

長崎-ハウステンボス

1日パスポート:2,000円割引

通常料金 - 7,000円・シニア料金(65歳以上) - 5,000円

東京ディズニーランド

1日パスポート:600円割引

通常料金 - 8,200円・シニア料金(65歳以上) - 7,600円

仙台うみの杜水族館

1日パスポート:600円割引

通常料金 - 2,200円・シニア料金(65歳以上) - 1,600円

金沢-兼六園

入園料無料

通常料金 - 320円・シニア料金(65歳以上) - 無料

このほか、前田土佐守家資料館&金沢市老舗記念館 2館共通観覧券などもシニア100円割引などがあります。

愛知-トヨタ博物館

入場料:500円割引

通常料金 - 1,200円・シニア料金(65歳以上) - 700円

大阪-あべのハルカス

展望台入場料:500円割引 ※毎月15日のシニアデーのみ

通常料金 - 1,500円・シニア料金(65歳以上) - 1,000円

(参考)京都-拝観料

シニア旅行でも人気の京都ですが、残念ながらお寺などの拝観料にシニア割はありませんでした。団体割引や散策マップについている割引を利用しましょう。

シニア旅行パックについて

旅行予約サイトではシニア向けパックツアーも用意されています。シニアの体力を考慮しているプランが多く、旅行になれていない方にはオススメです。

ただしこれらのシニア向け旅行パックはゆったりした旅を用意している側面が強いので、普通のパックよりも値段が格安になるというわけではない点には注意です。

また、50歳以上の方向けの宿・プランなどを中心として紹介しているサイトも非常に豊富になってきています。参考までにシニア向けプランがあるサイトも紹介いたします。

シニア割引以外で旅行をお得にする方法

これらのシニアならではの割引以外にも旅行するうえで料金を安く抑える方法についてもまとめておきました。

出来るだけおトクに旅行できるように、しっかり活用してみて下さいね。

比較サイトを利用する

飛行機や旅行プランの最安値を調べてくれるサイトが非常に便利です。

日程と行きたい場所を選択すると条件に合わせて空いている飛行機やホテル情報が出てきますので、パソコンなどが苦手な方でも使える様になっています。

agoda検索画面

国内旅行・海外旅行などそれぞれのサイトで強みが違いますので、是非有効活用してみて下さい。

【国内旅行おすすめサイト】

YAHOO!トラベル (https://travel.yahoo.co.jp/)

【海外旅行おすすめサイト】

トラベルコ (https://www.tour.ne.jp/)

【格安航空券検索サイト】

エアトリ (https://www.airtrip.jp/)

【アジア旅行おすすめサイト】

アゴダ (https://www.agoda.com/ja-jp/)

早割サービスを活用する

ホテル・新幹線・飛行機などは早めに予約すると、通常よりも割安の料金で利用することが出来る時もあります。

飛行機などはこの割引が顕著で、JAL・ANAは75日前の早期購入で最大80%程の割引料金にすることが出来ます。

JAL早割運賃

例:JAL国内線 東京(羽田)⇒札幌(新千歳)

直前購入料金:40,600円 → 75日前購入料金:8,400円 ★32,200円割引で80%off★

(出典:JAL早割運賃)

※2020年7月に試算した数字です。実際の割引情報は各社の公式サイトをご確認ください。

また注意点としては予約の変更が出来ない点やキャンセル料金が高い点、不確定なスケジュールの時は気を付けましょう。

平日の宿泊をフル活用する

またシニア旅行のメリットとしては、土日にとらわれずに旅をすることが出来る点です。

土日は混み合うだけでなく、宿泊料金も高いので月曜から木曜にかけて泊まる形で旅行プランを立てると、それだけで安くすませることが出来ます。

交通機関も日中を活用すれば混雑を回避できますので、シニアならではの特権を生かした旅行にしてみてくださいね。

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